転職活動で、次のようなお悩みをかかえていませんか?
「施工管理に興味があるけれど、会社の数が多すぎてどこを選べばよいか分からない」
「施工管理者としてホワイトな企業に転職したい!」
建設業界には企業が数多くあるため、企業選びに迷われる方や失敗してしまう方も少なくありません。
こちらの記事では、ホワイトな会社を見極めて、その会社に採用されるコツをお伝えします。
読み終えるころには、今よりも「施工管理としてこんなホワイトな環境で働きたい!」とキャリアイメージを具体化出来るでしょう。
ぜひ、あなたの転職活動にお役立てください。
目次
建築業界の仕事はきつい?いいえ、実は2019年の法改正によりホワイト化している!
「きつい・汚い・危険(3Kの職場環境)」というイメージをもつ人が多い建設業界ですが、実は労働環境が整えられてきており、働きやすい職場も増えてきています。
特に、2019年4月の法改正による労働時間の上限規制によって、残業の量とそれに対する対価について見直されています。
例えば、月60時間を超える時間外労働を行った場合に、時間外手当として支給される割増賃金の率が引き上げられました。
建設業は2024年4月までの猶予が設けられています。
通常の時間外労働の上限規制 |
建設業の時間外労働の上限規制の取り扱い |
|
施行時期 |
大企業は2019年4月から 中小企業は2020年4月から |
2024年4月から |
規制内容 |
・労働時間は原則1日8時間、1週に40時間まで ・36協定を結んだ場合でも時間外労働は原則月45時間、年360時間まで ・特別条項付き36協定を結んだ場合の時間外労働は年720時間まで(休日労働を含まない) ・一時的に業務量が増加する場合にも上回ることのできない以下の上限を設定 a.休日労働を含み、1か月100 時間未満 b.休日労働を含み、2か月~6か月平均で80時間以内 c.月45時間の時間外労働を拡大できるのは年6か月まで(1年単位の変形労働時間制の場合は42時間) |
一般企業と同じ通常の上限規制が全て適用される。 但し、災害の復旧・復興の事業に関しては、時間外労働と休日労働の合計について、以下のaとbは適用されません。 a. 1か月100時間未満 b. 2か月~6か月平均80時間以内 |
施工管理のホワイト企業を見極める方法
法改正の影響を受けてホワイト化してきている建設業界ですが、働きやすい職場環境を実現するために必要なことがあります。
例えば、次のようなものです。
- 人材を確保できる資金力
- 法令順守意識
- 職場環境を整えるノウハウ
- ホワイト企業として認知されるための発信力
人手不足な建設業界は、ホワイトな企業を目指していても労働環境を整えるだけのリソースが足りていません。
多くの企業で人材の数を確保できずにやむを得ずブラック化したり、労働環境の整備を後回しにしてきた状況があります。
ホワイト企業の定義はこれ!
まず、厚生労働省はホワイト企業に対する定義は設けていません。
ですが、一般的に次のような会社がホワイト企業として認知されています。
- 休みが多い、休みを取りやすい
- 残業がない、残業が少なめ
- 労働時間の自由度がある
- 福利厚生が充実している
- 給料が高く、安定した給与制度がある
これらの指標を独自の方法で整理して表彰する「ホワイト企業大賞」や「ホワイト企業アワード」などの表彰制度を企画運営している企業もあります。
施工管理のホワイト企業の特徴
まず一般的に言われているホワイト企業の特徴には次の点があります。
- 離職率が低い
- 残業時間が少ない
- 有給休暇の消化率が高い
- フレックスタイム制など働く時間に自由度がある
- 人事評価の基準がしっかりある
- ハラスメントがない
施工管理職でホワイトな環境を実現している企業の特徴は「工期に余裕があること」です。
一人一人に対する業務範囲が広くて業務量が多いと言われる施工管理職では、業務量と業務時間のバランスがポイントになります。
工期(作業をし終えるまでの期間)を守ることが最重要とされている仕事なので、工事がうまく進まないときに残業時間が長くなったり、休日出勤が増えたりしがちです。
そのため、工事の規模や工期に対して十分な人員を確保出来ており、各々の技術力があってお互いにカバーしあえる会社は、労働環境がホワイトになる傾向があります。
会社の規模や休暇日数や休日の取得実績、入社時の研修の在り方などを確認しましょう。
自分にとっての「ホワイト企業」の基準を明確にしよう
企業を探して選ぶ際には、「転職活動で優先すること」を把握しておきましょう。
- 時間
- お金
- 勤務地
- 仕事内容
- 福利厚生
自分が大切にしている項目を満たしてくれる企業が、あなたにとって「ホワイトな企業」と言えます。
優先度を高く見積もった項目と会社の実態がマッチしていると、満足した状態で長く働けます。
これまでの出来事を振り返りながら、今の気持ちと向き合い、自分は何を大切にして働きたいのかじっくり考えてみましょう。
施工管理のホワイト企業24選!
施工管理者を採用している会社のホワイト度を紹介します。
それぞれの会社にて正社員として勤務した経験のある方が投稿した口コミ2500件以上をもとに、独自の方法を用いて各社の「ホワイト度」を算出しました。
社員からみた次の項目のバランスが取れている会社ほど数値が高くなっており、最高点は5.0です。
- 労働時間の満足度(残業時間、休日)
- 給与の満足度
- 仕事の充実度
- 職場の人間関係
- 評価の適正感
それでは、施工管理として働くことが出来る大手企業のホワイト度をお伝えしますね。
スーパーゼネコンでホワイトに働く
売上が1兆円を超えるゼネコンで、業界のTOP5社が「スーパーゼネコン」に該当します。
スーパーゼネコンのホワイト度が高いのは、次の順番です。
会社名 |
ホワイト度 |
竹中工務店 |
3.8 |
鹿島建設 |
3.7 |
大林組 |
3.5 |
清水建設 |
3.3 |
大成建設 |
3.2 |
準大手ゼネコンでホワイトに働く
売上が3,000億円以上1兆円未満の企業が「準大手ゼネコン」と呼ばれています。
全体的にスーパーゼネコンに比べるとホワイト度は低くなっておりますが、準大手ゼネコン同士は同じくらいの結果です。
会社名 |
ホワイト度 |
五洋建設 |
3.4 |
長谷工コーポレーション |
3.3 |
戸田建設 |
3.2 |
三井住友建設 |
3.2 |
安藤ハザマ |
3.1 |
西松建設 |
3.1 |
熊谷組 |
3.0 |
中堅ゼネコンでホワイトに働く
売上が1,000億円以上3,000億円未満の企業が「中堅ゼネコン」と呼ばれます。
準大手ゼネコンと中堅ゼネコンの上位企業のホワイト度は同じくらいです。
しかし、下位になってくると中堅ゼネコンはホワイト度が3.0以下になっており、準大手ゼネコンに比べてホワイト度は低くなっています。
会社名 |
ホワイト度 |
東亜建設工業 |
3.3 |
奥村組 |
3.2 |
東洋建設 |
3.2 |
飛鳥建設 |
3.1 |
浅沼組 |
3.0 |
大豊建設 |
3.0 |
鉄建建設 |
2.8 |
錢高組 |
2.7 |
大手企業で派遣型社員としてホワイトに働く
施工管理として大きな会社で働く場合、ゼネコンだけではなく派遣型社員として雇ってもらえる会社を選ぶ方法もあります。
資本金1億円以上の企業のうち、施工管理の正社員派遣を行っている会社のホワイト度は次の通りです。
会社名 |
ホワイト度 |
リクルートスタッフィング |
4.0 |
パーソナルテンプスタッフ |
3.6 |
テクノプロ・コンストラクション |
3.1 |
夢真 |
2.7 |
ホワイトな施工管理の企業に転職するコツ
施工管理者それぞれの力量に頼る経営がなされている会社は、個々人に対する業務負荷が集中しやすいため、残念ながら残業が多くなりがちです。
ですが業界全体として若手の育成や残業規制等に力を入れている企業が増えてきているため、少しずつホワイトな企業が増えてきています。
傾向として、これまでご紹介してきたような大手のゼネコンほどホワイト度が高くなっているようです。
企業の売上規模別のホワイト度の平均点を算出すると、次のような結果でした。
分類 |
ホワイト度の平均点 |
スーパーゼネコン5社 |
3.5 |
準大手ゼネコン7社 |
3.2 |
中堅ゼネコン8社 |
3.0 |
スーパーゼネコンのホワイト度の平均値が最も高く、おおよそ企業の売上規模の順とホワイト度の順が一致していることが分かりました。
休日の多さや残業の少なさを求めつつ、高めの年収を目指せるようなホワイトな環境を求めるなら、最終的に大手のゼネコンに入れると安泰です。
経験があるなら大手のゼネコンに
すでに施工管理経験があるなら、スーパーゼネコンへの転職にチャレンジするのがおすすめです。
地方のゼネコンからスーパーゼネコンへ転職される方も毎年複数名いらっしゃいます。
また、40歳くらいまでなら施工管理業界は転職が叶いやすい状況です。
もしも、今すでに施工管理者として働いている状況で「残業が多すぎる」とか「年収が低すぎる」などの悩みを抱えているなら、少しでも大きなゼネコンへの転職を検討してみましょう。
未経験なら大手で派遣型社員に
未経験の場合、転職市場の現状を考慮すると、いきなりスーパーゼネコンに入るのは難しいかもしれません。
順をおってスーパーゼネコンへの入社を目指すか、大手ほどの企業規模はなくともホワイトな職場環境づくりに率先して注力している会社への入社を目指しましょう。
未経験からホワイトな施工管理への転職を目指す場合
未経験から、なるべくホワイトな仕事環境の施工管理へ転職したいなら、正社員派遣(無期雇用派遣)を行っている会社で施工管理者として勤める方法がおすすめです。
なぜなら、正社員派遣(無期雇用派遣)というかたちで企業に勤めて、そこから大手のゼネコンに派遣され、実績や勤務態度を認められて大手のゼネコンに直接雇用されるケースがあるためです。
正社員派遣(無期雇用派遣)の施工管理者を採用している企業の中には、ホワイト度が高いところもあり、離職率が低いことにより大きな企業へと発展してきた会社もあります。
未経験から施工管理職を目指す場合には、良い選択肢のひとつです。
新卒でホワイトな施工管理への就職を目指す場合
新卒で土木系の学科を出ていたとしても、各大学から0~2名、各社合格者が出るかどうかという狭き門です。
そのため、次の3つのルートで大手かつホワイトなゼネコンへの就職を目指す方が多くなっています。
- 新卒で中小規模のゼネコンに入社して施工管理者になる。その後、大手のゼネコンへ転職するルート
- 新卒で正社員派遣(無期雇用派遣)の施工管理者になる。大手のゼネコンへ派遣されて、そこから直接雇用を狙うルート
- 新卒で正社員派遣(無期雇用派遣)の施工管理者になる。その後、大手のゼネコンへ転職するルート
新卒で施工管理職への就職を希望されるなら、希望のゼネコンへの就職活動を行いながら、上記①~③の中でバックアップ策を取るのもよいでしょう。
ひとつでも内定が出ている状況で腰を据えて就職活動を行うことは、心理的な安定にも繋がり、落ち着いて面接等に臨めそうですね。
内定を取りに行きたいなら、転職エージェントに相談しよう!
転職エージェントでは、これまでの職歴を活かしつつ今後のキャリアも視野に入れて、個々に提案いただけます。
例えば、「いくつかのルートの中で自分が選べるのはどれか?」「キャリア形成を実現する上で、最短距離は何か?」など、ひとりでは答えが得られない部分もプロの視点でしっかり導いてもらえます。
気持ちの迷いが少ない状態で面接に臨むことで自信にも繋がり、良い会社とのご縁も広がるかもしれません。
ぜひ、プロの意見もひとつの参考にしつつ、自分の道を進んでいきましょう!
相談先をお探しの場合にはお力になりますので、ぜひご相談ください。