施工管理職から他の職種へ転職される方は、毎年多くいらっしゃいます。
転職市場において、施工管理職の経験は「大きな強み」になりやすく、様々な業種に転職できるためです。
施工管理からのキャリアチェンジはバリエーションが豊かなので、選択肢を広く知り、その中から自分自身にあった業種を選びましょう。
今現在、施工管理の仕事をしていて「他の仕事をしてみたい」「転職したいな」と感じる場面があるなら、こちらの記事をお役立てください。
本記事を読むことで、今後のあなたのキャリアの選択肢が広がります。
施工管理経験者におすすめの転職先
施工管理経験者は建設業界内での転職も、業界外での転職も有利です。
こちらの章では、施工管理からの転職先として選ばれることの多い職種についてご紹介します。
建設業界内のおすすめ転職先9選
施工管理の経験が少なくとも数年間ある場合には、建設業界内での転職を選ぶのもおすすめです。
施工管理の仕事は、建物や設備を仕上げる上で一番最初から最後まで「全体を見渡せる位置」で仕事が出来る職種です。
建設業界の仕事の全体像をつかみやすい職種なので、建設業界内の別の職種に興味をもち、キャリアアップを実現される方が毎年いらっしゃいます。
ゼネコン
総合建築企業(ゼネラル・コントラクター)、通称ゼネコンと呼ばれる企業へ転職される方も多くいます。
ゼネコンは大規模な建設工事や特殊な工事を請け負うことが出来るため、「より高度な仕事に就きたい」「もっと最新の工法に携わりたい」「大きな仕事をしたい」という方に人気です。
毎年、施工管理職からどのような職種に転身しているのか詳しく解説します。
設計
お客様の要望に沿って設計図を作成する仕事です。
品質、コスト、機能性、デザインなど、お客様が優先することをしっかり理解して、描いたイメージを図面に落とし込みます。
そして、図面をひく作業だけでなく、建築確認申請、その他事前協議等の行政協議・申請業務、施工後の工事監理業務など、受注前から施工開始後まで、幅広く携わることができます。
施工管理職は、設計の方の仕事の進捗管理を行う役回りも担いますが、その中で「自分で設計してみたい」「デザインする仕事が楽しそう」「より一層専門性を高めたい」と感じて設計への転職を目指す人もいるようです。
営業
ゼネコンの営業相手は、官公庁や企業が中心です。
設備や建築物の工事の受注を獲得し、窓口として活躍出来ます。
ハウスメーカー等の施工管理から、「より大規模な案件に携わりたい」と感じて希望される方も多いようです。
ゼネコンの施工管理ではなく営業の立場になると、工事を請け負う前段階で仕事をすることになります。
企画段階から携わりたい方や施工管理の仕事をしていたときにお客様とのやり取りが得意だった方が転職後も活躍されています。
経理
建設業経理士と呼ばれる、建設業界で活躍する経理のプロを目指すのもおすすめです。
大手のゼネコンなどでは専門の建設業経理士が在籍しているケースがあります。
施工管理の仕事の中で、特に原価計算や請求書の作成などの書類作成が向いていると判断した方に合うでしょう。
細やかな事務作業や計算が得意な方、デスクワークに専念しながらキャリアアップしたい方に人気の職種です。
不動産開発(ディベロッパー・デベロッパー)
建設業界でディベロッパーは、土地や街の開発事業者のことを示します。
通常、複合商業施設、大型マンションの開発に携わります。
ディベロッパーとゼネコンは協力関係にあり、ディベロッパーがゼネコンへ工事を発注します。
ディベロッパーとよばれる分野で働きたいと思うと、大手の不動産会社に勤めるケースが主流です。
ディベロッパーの役割には「土地の取得・企画開発・建築(管理)・販売(貸出)」があり、会社として一部の役割だけを担っているケースと、会社としては4つの役割全てを担っているケースがあります。
営業:土地の仕入れ
ディベロッパー会社の営業には2つ役割があります。
ひとつめは「土地の仕入れ」の担当です。
土地や建物の持ち主に、これから開発しようとしている施設や設備についてプレゼンして土地を仕入れるのが仕事です。
土地の持ち主へいかに魅力的な提案をするかという点はもちろんですが、お人柄などを活かして受注に繋げている方もいます。
施工管理のときに培ったコミュニケーションスキルを活かして、さらに稼ぎたい方に人気です。
営業:販売
新たに出来上がったマンションを一般の方に売ったり、新たに出来上がった商業施設に入る店舗を募集したりします。
真っ新な土地に出来上がった施設や設備がユーザーに購入されて喜ばれる場面に立ち会えるのでやりがいを感じられる仕事です。
施工管理をしていたときに、「もっとお客様が喜ぶところを見たい」と感じて転身される方も多いようです。
建築管理
ディベロッパーの建築管理は、施工管理の仕事と大変よく似ています。
ディベロッパー会社は、建築や建設工事をゼネコン等に発注します。
そして、建築管理は納期通りに工事が進むかどうか進捗管理や各種調整を行います。
ディベロッパーの会社で、施工管理者の募集として求人が出ているケースもあります。
施工管理者として経験を積んできたスキルは、そのまま活かせるでしょう。
企画・開発
営業が入手した土地の歴史や周囲の環境などをさらに調査し、まちづくりの方向性やコンセプトを考える仕事です。
施工管理者として情報収集力を磨いてきた方におすすめで、発想力を活かせる仕事です。
営業と設計を繋ぐ役割を担います。
特に、仕入れた土地へ築く施設のコンセプトを決めるところまでを担うケースと、計画に落とし込むところまでを担うケースが多いようです。
ハウスメーカー
ハウスメーカーでは、個人の住宅の工事を請け負います。
施工管理をしていた方のスキルがそのまま活かせることと、ゼネコンに比べるとお客様に近いところで働けるのが特徴です。
設計
お客様の要望に合わせた住宅が完成できるように打ち合わせに参加し、設計図面を作成します。
インテリアコーディネーターの方と連携を取ることも多く、内装や住宅設備についても理解した上で図面をひけるようになります。
デザイン要素の強い設計をしてみたい方や、たくさんの施工に携わりたい方、お客様と直接やり取りしたい方に人気です。
営業
ハウスメーカーの営業は、いろいろな段階のお客様を相手にします。
工期を決めていない人や住宅メーカー選びで迷っている人など、お相手に響くアプローチ方法も千差万別です。
土地選びの段階から携わり、家が完成した後のお引渡しまで一貫して担当できるので、お客様との関係がとても強くなります。
細かなご要望にも耳を傾け、予算や構造的な制約の中でいかに希望に合ったものを提案するか、お客様と設計の間を取り持ちます。
施工管理のときに身につけた調整力や交渉力を活かして、転職される方が一定数います。
建設業界以外でおすすめの転職先:不動産業界
施工管理経験者が建設業界以外の転職先としてよく選ばれるのは、不動産業界です。
施工管理の仕事をしていたときに得た知識を有効活用できるためです。
不動産業界では、すでに出来上がった建物を扱う点が建設業界とは異なるため、不確定要素の多さによる工事の遅れに見舞われることが少なく、建設業界での仕事に比べると計画通りに仕事が進みやすいのが特徴です。
その違いにより、不動産業界の方が建設業界よりも労働環境が整備されていると判断する方も多く、これまでの経験を活かして不動産業界への転職に踏み切る方もいます。
不動産流通・仲介業者
不動産を売りたいお客様と買いたいお客様の間で、 ご相談を受けたり物件を紹介したりします。
営業
条件交渉から契約締結、引渡しまで、円滑に話し合い等が進むようにサポートをします。
すでに出来上がっている施設や住宅を売買することが多いので、双方の主張を理解するとともに、中立の立場でメリットやデメリットを理解する力も必要です。
やはり、施工管理のときに調整役を担ってきたコミュニケーションスキルを活かせるでしょう。
不動産賃貸
自身や自社で保有している土地や建物を貸し出します。
営業
賃貸営業では、条件を聞きながら物件を絞り、お客様の希望に近い土地や物件をご案内します。
物件に限りがあるため、最終的にはお客様との信頼関係の構築が肝となります。
不動産管理会社(賃貸管理・建物管理)
土地や建物の持ち主(オーナー)に代わって、賃貸物件等の管理・メンテナンスを行います。
営業
賃貸管理と建物管理の2つにおいて業務を行います。
入居者の募集をかけたり、入居者のクレーム対応を行うなど、オーナーと入居者の双方が満足のいく住環境を整えるのが賃貸管理です。
そして、建物の清掃業務など建物の維持管理を行うのが建物管理です。
賃貸管理ではお客様との調整をメインで行い、建物管理では業者や社内との調整をメインで行います。
日々、人と人との調整役を担う点が施工管理と似ています。
建設業界以外でおすすめの転職先:その他
次のような理由で転職を検討する方は、建設業界・不動産業界以外で転職先を選ばれることが多くあります。
- ワークライフバランスを取りたい
- 施工管理の仕事の中で向いている業務とそうでない業務が分かった
施工管理の仕事は納期を意識して様々な課題に対して調整するスキルが必要です。
場合によっては、勤務時間が長くなることや出勤日数が増えることなどがあり、お金は稼げても休めない・・・という状況に陥る方もいます。
会社に働きかけたり、自身の業務調整力だけでは立ち行かない場合、ワークライフバランスを求めて他の業界へ転職される方が多いようです。
②のように、自分に合う仕事と合わない仕事が出てきた場合も他の業界を含めて転職活動をされるケースもあります。
「やっていけない」「合わない」と感じた場合は、早い段階で損切りするつもりで離れるのがおすすめです。
施工管理として働く中で、無理や違和感を感じ続けている場合には次のような職種を検討してみてはいかがでしょうか。
公務員(建築職)
公務員の建築職は、工事を受注した民間企業が工事を予定通り行っているか確認します。
主に、民間企業の施工管理を行う立ち位置の人とやり取りを行うので、施工管理経験者であればスムーズに監督することが出来ます。
その他営業職
施工管理の仕事では人と接する場面も多々あります。
書類作成や細かな作業は苦手だったけれど、人と接する時間は充実感を感じている方は営業へ転職しています。
特に、提案型の営業スタイルが主流のソリューション営業などは、施工管理経験を活かせます。
販売職
施工管理職から販売、接客業へ転職する方もいます。
この場合、扱う商材に対して「興味をもてる」と感じる企業を選んでいる傾向です。
事務職
営業職へ進む事例とは逆で「細かい事務作業は向いていたけれど、人と接するのがつらかった」という方は、事務職へ転職されることも多くあります。
特に、施工管理の経験により、法律で定められた基準をクリア出来るレベルの書類を正確に作ってきた実績を示せるので需要があります。
管理職
施工管理の仕事でスケジュール管理力や調整力、人を巻き込む力などを発揮できていた方が、他の業界へチャレンジされることもあります。
その場合、施工管理職も向いているけれど、もっと他に興味を感じる業界があり、そちらへのキャリアチェンジを希望するというパターンが多いようです。
品質保証・品質管理職
施工管理で品質管理業務に携わってきたことを活かして、物づくりのメーカー等で品質管理の部署で働く人もいます。
建設・建築同様、物づくり分野においても、従業員の安心のために安全確保が必須で、お客様の満足度向上のために品質確保も重要です。
そこで培った感覚や判断基準、スキルは品質保証や管理でも活かせるでしょう。
特に責任感が強い一面がある場合は、製品を出荷する前の最後の砦として活躍されるかもしれません。
生産管理職
生産管理では、物づくり分野で資材の入手や工程に配置する人の調整を行います。
施工管理と異なる点は、「内勤である」という点です。
物づくり現場の多くは、工場内さらには工場内のクリーンルーム内となります。
資材やお取引先となる業者とのやり取りは電話であることも多く、毎日外に出る必要はありません。
施工管理の仕事で、調整や管理する業務が向いていたけれど外回りが厳しかった方に、製造メーカーの生産管理はおすすめです。
エンジニア
物づくり分野でのエンジニアとして、製品や工程の評価や設計を行います。
施工管理者として図面を読むことが出来れば、そのスキルをそのまま活かせます。
調整・管理業務よりもクリエイティブな仕事をしたいと考える方に人気の転職先となっています。
施工管理職は、いろいろな職種に転職しやすい!
ここまでお伝えしてきたように、施工管理経験者の転職先は選択肢がたくさんあります。
建設業界内への転職も、業界外への転職も可能です。
転職に成功されている施工管理者が多い理由をお伝えします。
施工管理経験者が転職しやすい理由
施工管理経験者が転職しやすい理由は、施工管理で鍛えられるスキルが幅広く、他の仕事に就くときにも役立つものばかりだからです。
例えば施工管理者は、建物や設備が納期までに出来上がるように工事の計画を立てて進捗管理や品質管理を行います。
時間や人、資材などをあらゆる視点で確認や調整します。
そのため業務を進める中で、スケジュール管理力やコミュニケーション力、書類作成のためのスキルなどが鍛えられるのです。
それらのスキルは、他の職種に就くときにも即戦力となります。
転職先で自身が担当する業務にも役立ち、コミュニケーション力やマネジメント力は、関わる人やチームのためにも役立ちます。
施工管理経験者が転職する理由
施工管理者が転職する理由は様々です。
こちらの章では、特に多い理由を紹介します。
残業や休日出勤が多かった
勤務時間に関する不満により、転職を決意される方がたくさんいます。
特に中小企業に勤める施工管理者は、勤務時間が長くなったり、突発的な残業が生じたりするケースもあるためです。
近年、働き方改革の一貫で法改正が行われたため、大手ゼネコンや大手ハウスメーカー、大手派遣会社等を含む法令順守意識の高い企業は、勤務時間の管理を徹底されています。
施工管理の仕事が好きで「労働環境さえ良くなれば、今の仕事を続けたい」と感じている場合に、大手の施工管理へ転職する方もいます。
ですが、心機一転、業界の外には長年ホワイトな労働環境が保たれているところもあるため、職種や業界の変更を検討される方が多いです。
思っていたほど年収が上がらなかった
施工管理の仕事は、本来年収が上がりやすい職種のうちのひとつですが、「思っていたよりも年収が上がらなかった」という理由で転職する人もいます。
「年収が上がらない」と感じる理由は、「残業しないと稼げない」ことと「資格を取らないと稼げない」ことに起因します。
残業しないと稼げない
未経験で施工管理職に就いた場合、たくさん残業することで稼げます。
残業しないと給料が増えないため、「短い勤務時間で収入も高い仕事に転職したい」という理由で転職する人が多いのです。
企業の中には、初年度は残業時間もある程度設定されていて、その時間や対価も込みで契約を結ぶところもあります。
その場合、初年度は皆同じように残業時間を20時間~40時間ほど積み、仕事に慣れてきた3年目以降は自分自身で残業の有無を決められるようになります。
3年目に残業を減らすと、初年度よりも年収が下がってしまうこともあるのです。
資格を取らないと稼げない
施工管理の経験を積み、ゆくゆくは施工管理の国家資格を取得することで年収が上がります。
資格を取るために業務時間外で勉強をするのが嫌だと感じたり、資格試験に何度も落ちたりすると転職を考え始めるようです。
業務内容が自分に合わなかった
施工管理の仕事は、ひとりで黙々と進める仕事と、人とコミュニケーションを取りながら進める仕事があります。
そのどちらかもしくは両方が、自分に合っていないな…と感じて転職される方もいます。
「この部分の業務が合わないな」と、気づけるのも施工管理職の業務範囲が広いからであり、合う業務は何なのか見極める材料を見つけられるのは、良い点とも言えます。
会社側の都合により転職することになった
建設業界内には、事業規模が小さいところから大きいところまで数々の企業があります。
近年、年長者が退職して戦力不足に陥った小さい企業が次々と倒産や廃業しつつある状況です。
その影響で転職せざるを得ない方も毎年多数いらっしゃいます。
家庭の事情により転職することになった
仕事以外の面で、状況や環境が変わることもあります。
比較的勤務時間が長い施工管理職では、介護や育児と仕事の両立が難しくなりがちです。
家庭環境の変化により仕事時間を確保できなくなると、残業のない仕事を求めて転職する方もいます。
施工管理からの転職に成功した人の声
転職により工事を発注する側へまわり、年収と勤務時間のバランスが取れた
業務量が多くて時間的にも体力的にも辛くなり、ビルの管理会社等へ転職された事例があります。
施工管理として働くときに各個人の業務量に大きく影響するのは、会社が抱えているプロジェクト・案件の数と社員数のバランスです。
自分ひとりだけではどうにも出来ない理由でワークライフバランスが崩れていて、かつ会社に働きかけても改善が進まないような場合は、転職するしかありません。
転職後に同じ状況に陥らないために、「工事を発注する側へまわって、安定的な休みを取りつつ高い年収を得られるようになった」事例でした。
施工管理から営業へ転職して事務作業から解放された
もともと事務職を希望していて施工管理職になった方が、実際に事務作業をしてみると細かい作業が難しく感じられて、仕事が辛くて転職を決意された事例です。
これまでの経験を振り返り、事務作業は向いていないものの、誰かと打ち合わせすることや関係者への呼びかけなどの活動は向いていると感じて営業職へ転職されました。
施工管理職を経験する前は、営業職は向いていないだろうと選択肢から外していたため、施工管理を経験することで転職先の選択肢が広がりました。
施工管理経験者におすすめの転職先
ここまで、施工管理経験者は転職に有利であることをお伝えしてきました。
こちらの章では、転職先として選ばれることの多い職種についてご紹介します。
建設業界内で転職先を探す
施工管理の経験が少なくとも数年間ある場合には、建設業界内での転職を選ぶのもおすすめです。
施工管理の仕事は、建物や設備を仕上げる上で一番最初から最後まで「全体を見渡せる位置」で仕事が出来る職種です。
建設業界の仕事の全体像をつかみやすい職種なので、建設業界内の別の職種に興味をもち、キャリアアップを実現される方が毎年いらっしゃいます。
設計事務や設計士
設計事務所では、建物や設備の設計図の作成・管理、法的な申請業務を行います。
施工管理の仕事の中で、図面をひけたり図面を読むためのルールをしっかり理解出来ていたりすると、設計事務所での業務に活かせます。
特に、CADオペレーターの資格をもっていると、図面をひくためのツールであるCADソフトを使えることを示せるので転職に有利です。
建設業での経理
建設業経理士と呼ばれる、建設業界で活躍する経理のプロを目指すのもおすすめです。
施工管理の仕事の中で、特に原価計算や請求書の作成などの書類作成が向いていると判断した方に合うでしょう。
細やかな事務作業や計算が得意な方、デスクワークに専念しながらキャリアアップしたい方に人気の職種です。
宅地や建物の取引
不動産取引のスペシャリストと呼ばれる宅地建物取引士と呼ばれる職種です。
施工管理技士と同じく国家資格で、年間約20万人が受験すると言われる人気の資格です。
施工管理として資格取得にチャレンジしたことをきっかけに、こちらの資格取得にもチャレンジされる方もいます。
宅地建物取引士は通称「宅建士」と呼ばれ、主な仕事は不動産の売買や賃貸物件を紹介する業務を行います。
中でも、売買や賃貸契約における重要事項の説明や重要事項説明書への記名業務は宅建士でなくては出来ません。
「宅建士(宅地建物取引士)にしか出来ない独占業務があること」に魅力を感じて、「必要とされる人材でありたい」と自分にしか出来ない仕事を求めて転職される事例もあります。
土地や街の開発
ディベロッパー(デベロッパー)と呼ばれる不動産業界の開発事業者への転職も可能です。
土地(用地)を取得して、その土地に建物の建設を計画し、建物を立てて事業化するのが仕事です。
複合商業施設や大型マンションなどの開発が該当します。
施工管理経験者の中でも「大きめの案件・プロジェクトに携わった経験」からディベロッパーの仕事に興味をもち、転職される方が一定数いらっしゃいます。
他の業界・業種に転職する
施工管理経験者が他の業界や業種にチャレンジする理由は、次の2つです。
- ワークライフバランスを取りたい
- 施工管理の仕事の中で向いている業務とそうでない業務が分かった
施工管理の仕事は納期を意識して様々な課題に対して調整するスキルが必要です。
場合によっては、勤務時間が長くなることや出勤日数が増えることなどがあり、お金は稼げても休めない・・・という状況に陥る方もいます。
会社に働きかけたり、自身の業務調整力だけでは立ち行かない場合、ワークライフバランスを求めて他の業界へ転職される方が多いようです。
②のように、自分に合う仕事と合わない仕事が出てきた場合も他の業界を含めて転職活動をされるケースもあります。
それでは、施工管理から他業界への転職事例をもとに、転職可能な職種について紹介します。
住宅・建物の管理
建物をつくりあげる工程から離れて、出来上がった建物の管理を行う仕事への転職も人気です。
住宅を管理する場合には、集合住宅やマンション管理などを行うことが多いようです。
管理人として次のような業務を担当します。
- 受付や入居・退居時の立ち合い
- 居住者からのお問い合わせ対応
- 建物の保守点検や修繕の立ち会い
- 引っ越し業者への指示
- 建物内の巡回や点検
- 掲示板等のお知らせ
- 災害や事故発生時の対応と報告
ビル・敷地の管理
不特定多数の方が利用するビルでは、衛生的な環境でユーザーが過ごせるように法律があります。
その法律、ビル管理法によって定められている内容に基づきビルや空間を安全かつ綺麗に保つのが仕事です。
主に次のような業務を行います。
- 空気環境の調整
- 給水の管理
- 排水の管理
- 清掃
- ねずみの防除
営業職
施工管理の仕事を経験したことにより「人と接するのは向いているけれど、細かい事務作業が向いていなかった」と感じて、コミュニケーション力を活かして営業に転職される方もいます。
営業と言っても、体当たりするかのような飛び込み営業から、チームで資料を作ってすでに興味をもっている方と打ち合わせをするような提案営業まで、スタイルは様々です。
施工管理で経験した打ち合わせスタイルの営業がマッチしている方は、似たようなスタイルの営業職に的を絞って転職活動をされています。
事務職
営業職へ進む事例とは逆で「細かい事務作業は向いていたけれど、人と接するのがつらかった」という方は、事務職へ転職されることも多くあります。
特に、施工管理の経験により、法律で定められた基準をクリア出来るレベルの書類を正確に作ってきた実績を示せるので需要があります。
管理職
施工管理の仕事でスケジュール管理力や調整力、人を巻き込む力などを発揮できていた方が、他の業界へチャレンジされることもあります。
その場合、施工管理職も向いているけれど、もっと他に興味を感じる業界があり、そちらへのキャリアチェンジを希望するというパターンが多いようです。
施工管理からの転職活動は、強みをしっかり伝えよう!
施工管理からの転職先で気になる職種は見つかりましたか?
他の職種への転職を成功させる秘訣は、これまでの業務で培ったスキルをしっかりアピールすることです。
次の章を参考に、スキルの棚卸しをしてみてください。
転職市場で勝てる!施工管理職者の有利なスキル
施工管理職の業務を全て満足に出来ていなかったとしても、業務を細かく分けて振り返ることで「得意な業務」や「好きな業務」が見つかるかもしれません。
ぜひ、これまでの施工管理経験を振り返ってみましょう。
コミュニケーションスキル
施主(お客様)や設計士や現場の作業者など数多くの人々とやり取りをかわす業務に携わりましたか?
次の中で、得意なものはあるでしょうか。
- 挨拶
- 声掛け
- 打ち合わせ
- 昼食中などの雑談
ひとつだけ当てはまる場合にも、十分あなたの強みになります。
自信をもって自己PRに活かしましょう。
パソコンスキル
施工管理職は書類作成や資料を確認する際にパソコンを使う場面も多い職種です。
次の中で、どこまでパソコンスキルがありますか?
- パソコンの基本操作
- ExcelやWordなどのオフィスツール
- 施工管理専用のアプリやウェブツール
基本的なパソコン操作が出来るだけでも、事務業務の未経験者と比べると有利です。
オフィスツールや専用のツールを使いこなしていた場合には、スキルがあることはもちろん、スキルを身につける力もあることも示せるので大きな強みです。
また、ツール利用の面以外に、正確に文書を作ったり、なるべく早く文書を作ったりするために心がけているポイントなどがありましたら、そこも伝えられるといいですね。
マネジメントスキル
長年、施工管理職を経験された方は工事の全体や一部を把握し、管理・調整する役割によってマネジメント力が身についていることも多いです。
次のようなスキルは良好な人間関係を築き、職場環境をよくする存在になるケースが多いので、あてはまる場合はぜひPRしましょう。
- 周囲の変化に気づく
- 進捗や状況を見える化できる
- 急なスケジュール調整についていける
- トラブルに臨機応変に対応できる
- 情報収集できる
- 問題を解決できる
- いろいろなことを同時並行で遂行できる
自己PR作成のコツ
転職活動では職務経歴書に自己PRを記載したり、面接にて自己PRを求められる場面があります。
強みが複数ある場合には、次の点をバランスよくお伝えするのがおすすめです。
- 専門的なスキル
- 汎用的なスキル
- お人柄の強み
志望動機作成のコツ
履歴書に志望動機を書く場面や、面接にて志望動機を話す場面では、自己PRでお伝えする強みとの繋がりを意識されると一貫性が出て説得力が増します。
例えば、
- スキルを次の仕事にどのように活かしたいか
- 次の仕事で新たにチャレンジしたいことがあるか
など、これまでの経験やあなたの気持ちが転職先の企業へ自然なかたちで繋がっている部分を探してみましょう。
最善を尽くすなら転職エージェントに相談しよう!
転職活動における自己PRや志望動機は、十人十色です。
転職エージェントに相談すると、あなたが今考えていることや今後のキャリアに対して、どのような転職先がマッチしているか一緒に考えてくれます。
また、内定を取るためのポイントをしっかり押さえて、書類対策や面接対策をしてもらえるので安心です。
施工管理職からの転職をお考えの場合は、公式ラインよりぜひご相談ください。
状況を丁寧におうかがいし、あなたに合う実績のある転職エージェントをご案内致します。