施工管理技士検定|建築・土木・電気・電気通信・管・造園・建設機械(1級/2級)

 

施工管理として建築や建設の業界に身を置き続ける場合、施工管理技士検定を受ける人が多くなっています。

 

こちらの記事では施工管理技士検定について詳しく解説します。

 

「試験の情報を早く読みたい」という人は、目次から「施工管理技士の資格を取ろう!~技術検定詳細について~」の章へ進まれてください。

 

施工管理技士検定とは

施工管理技士検定は、建設や建築の業界で施工管理として働くための資格試験です。

 

業務内容に合わせて次の7種類の資格に分かれており、資格取得のためには各専門分野に特化した知識を求められます。

 

技術検定試験に合格すると、施工管理技士になれる

施工管理技士検定の第一次試験に合格すると「施工管理技士補」になれて、第二次検定試験に合格すると「施工管理技士」になれます。

 

それぞれの試験の合格率は30~65%とばらつきがありますが、過去問を用いて課題を解く練習をすることで合格を目指せる資格です。

 

資格取得のメリット

施工管理技士の資格を取得することで、業務面や待遇面にて良いことがあります。

 

働く人からみたときに、次のような点がメリットと言えるでしょう。

  • 自分のスキルを公的に表現できる
  • 監理技術者や主任技術者になれる
  • 資格手当がつく場合がある
  • 昇格や昇給につながりやすくなる
  • 転職しやすくなる
  • 独立する選択肢を選べる

 

施工管理者として経験を積みながら資格を取ることで、働きやすい環境や長く働ける環境を選びやすくなります。

 

施工管理技士や施工管理技士補を雇う企業側からみた場合にも、次のメリットがあります。

  • 工事の大小にかかわらず設置が必要な主任技術者を配置できる
  • 4,000万以上の工事を行う際に必須となる監理技術者を配置できる

 

工事を請け負う際には、主任技術者(施工管理技士2級以上)や監理技術者(施工管理技士1級以上)が必須なため十分に需要があり働き先を確保する上でとても安心です。

 

種類別!施工管理技士が出来る仕事

施工管理技士には7つの技術検定試験があり、各々の資格を取得することで次の施工管理業務を担当できるようになります。

 

建築施工管理技士

建築物を築くときに品質や安全を守りつつ工程管理や原価管理などを行います。

 

スケジュール管理を行ったり、時間や人、資材やお金などの調整を行うのが主な仕事です。

施工図などの書類の作成や現場での事務作業も業務に含まれます。

 

土木施工管理技士

土木建設工事を行うときに、現場を取り仕切る現場監督として仕事をしたり、申請や管理に必要な書類を作成したりします。

 

土木工事には、次のような工事が含まれておりとても対応範囲が広いのが特徴です。

  • 河川工事やダムの工事
  • 道路工事やトンネル工事
  • 海岸工事
  • 下水道工事
  • 土地の区画整理工事
  • 空港建設工事
  • 災害時の復旧工事

 

電気工事施工管理技士

変電設備や送電設備、照明設備など様々な電気工事に関わる施工管理技士です。

 

オフィスビルや商業施設、一般家庭用の戸建てなどあらゆるところに電気工事は発生します。

営業等に同席するなどして発注者との打合せにも参加する機会があるケースが多く、場合によっては見積もり作業なども担当します。

 

申請書類や電気工事の施工図面作成なども行うため、専門性が高く覚えることの多い業務です。

 

管工事施工管理技士

冷暖房設備や空調設備などの配管工事にて施工管理を行います。

ガス管や浄化槽設備、上下水道配管設備、給排気ダクトなど、作業を誤ると安全を損なってしまう現場も多いのが特徴です。

 

作業自体は資格がない人でも担当できますが、現場に少なくともひとりは資格者を配置する必要があるため、需要があります。

 

安全確認や品質確保が求められる仕事だからこそ、資格取得を通じてしっかり学び、活躍している人が多い職業です。

 

造園施工管理技士

緑化や造園などの工事に関わり、計画や管理、資材調達や天候に合わせた日程調整などを行います。

 

昔は個人邸宅の庭園などが仕事先になるケースが多かったようです。

今現在はビル屋上の緑化計画や都市公園の整備が行われるなど都市部での需要が大きくなってきています。

 

建設機械施工管理技士

本資格を取得すると、建設機械を使った工事現場にて建物や構造物の品質管理や安全管理を行えます。

 

建設機械施工管理技士の資格試験は6つの種別に分かれているため、各種別に当てはまる重機を、建設機械施工管理技士検定の種別や科目別に紹介します。

 

種別

科目

建設機械

第一種

トラクター系建設機械

ブルドーザー、トラクター・ショベル、モーター・スクレーパー等

第二種

ショベル系建設機械

パワー・ショベル、バックホウ、ドラグライン、クラムシェル等

第三種

モーター・グレーダー

モーター・グレーダー

第四種

締め固め建設機械

ロード・ローラー、タイヤ・ローラー、振動ローラー等

第五種

舗装用建設機械

アスファルト・プラント、アスファルト・デストリビューター、アスファルト・フィニッシャー、コンクリート・スプレッダー、コンクリート・フィニッシャー、コンクリート表面仕上機等

第六種

基礎工事用建設機械

くい打機、くい抜機、大口径掘削機等

 

建設機械施工管理技士は土木施工管理技士と同じ現場で働くことも多いようです。

 

土木施工管理技士は土木工事全体の計画や進捗管理を行うのに対して、建設機械施工管理技士は「建設機械が関わる部分」の施工管理や安全管理を行います。

 

土木と建設機械の資格は仕事を進めて行く際に相性がよく、2つの資格を両方とも取得している施工管理者もいます。

建設機械施工管理技士の資格を取ることで、仕事の幅が広がりますね。

 

電気通信施工管理技士

電気通信施工管理技士は電話やスマホの回線や光回線、LANケーブルの新設や電波障害の調査や基地局の設置など、電気通信に関わる業務を行います。

 

専門的な現場での仕事になるため、基本的には工事も行いながら現場の管理を行うケースが多めです。

 

急速に成長している電気通信業界で安定的に需要が伸びてきている分野です。

 

施工管理技士が必要とされる理由

建築/土木/管/造園/電気通信、どれを取っても最初の工事で新しく設備が完成したあとにもメンテナンスが必要なものばかりです。

 

最新鋭の設備にも古くからある伝統的な設備にも、定期的に検査や修復、修繕が施されます。

 

今後どのような時代に突入したとしても、時代に合わせた仕事内容や技術へと柔軟性をもちつつ施工管理技士の仕事は必要とされ続けます。

 

現場で必要とされる技施工管理者について

施工管理技士は国家資格で、施工管理技士1級や施工管理技士2級の資格を取得できたときに、担える仕事の幅や役割が広がります。

 

こちらの章では施工管理技士の資格者だけがなれるポジションについてお伝えします。

 

専任技術者

工事の請負契約を適切な内容で結び、その契約内容に合わせて工事を完遂するために、営業所ごとに専任技術者を置くことが義務づけられています。

 

専任技術者は、見積もりや契約書の作成を行い、施主(お客様・注文者)との契約について手続きします。

工事現場には基本的に出ることなく、営業所に常駐しなくてはなりません。

 

主任技術者

基本的に、すべての工事現場に主任技術者を配置することが義務付けられています。

 

ただし、令和2年の法改正により、主任技術者の配置義務が一部緩和されて、下請金額4,000万円未満の鉄筋工事と型枠工事において、主任技術者を配置しなくても良くなりました。

 

主任技術者は会社から直接雇用されている施工管理技士から選ばれ、工事現場で現場技術者の指導や監督を行う仕事です。

 

業務を進めるときに工事の施行計画を作成したり、工程管理や資材の品質管理をしたりするなど、書類作成や検査・試験の実施なども業務に含まれます。

 

監理監督者

下請契約の請負代金総額が4,500万円以上(建築一式工事は7,000万円以上)になる場合に、工事の請負契約を適切な内容で結び、その契約内容に合わせて工事を完遂するために、営業所ごとに監理技術者を置くことが義務づけられています。

 

参考:現場監督について

施工管理者と似た役割に「現場監督」があります。

会社やプロジェクトによっては施工管理技士が現場監督の役割を担うケースもあり、その役割は、施工管理者が作った計画に基づく工事現場の進捗管理や品質管理です。

こちらは施工管理技士の資格は本来必要ありませんが、施工管理技士の資格をもつ現場監督もいて、活躍しています。

 

 

経営事項審査について

経営事項審査は、建設業者が国や地方公共団体から直接受注を得ようとするときに必ず受けなくてはならない審査です。

 

建設業者の経営規模や技術力、経営状況などを審査するもので、客観的な指標で数値化されます。

 

その結果を利用して公共工事の競争入札が行われます。

 

公共工事を担っている企業にとって、経営事項審査ではじき出される点数は重要なので、すでに資格をもっている人は転職活動の際に喜ばれて有利です。

 

施工管理技士の資格を取ろう!~技術検定詳細について~

施工管理技士になった人たちは、次のような良い点を体感しています。

  • 河試験勉強で専門的な知識が付いた
  • これまでやってきたことを資格によってアピールできた
  • 名刺に書けるようになり取引先がしっかり話を聞いてくれるようになった
  • 資格手当がプラスされて給与が上がった
  • 転職活動で経験者枠から申し込めた
  • 派遣型正社員から直接雇用になれた

 

建設業界や建築業界にて施工管理として働く人は、ぜひ積極的に施工管理技士の資格を取ると良いでしょう。

 

受験資格

令和6年(西暦2024年)4月1日に、施工管理技術検定の受験資格が見直されました。

 

現在は移行期間中で令和10年度までは旧受験資格でも受けることが出来ます。

 

今現在のご自身の状況に合わせて、より有利な条件を選ぶようにしましょう。

 

 

 

試験のスケジュール

施工管理技士の試験は、種類によって1年に実施される試験回数や試験日が異なります。

 

受付期間と試験日

検定試験を受検する場合の、受付期間(お申し込み期間)と試験日は次のサイトよりご確認いただけます。

 

最新情報をご確認ください。

 

検定の名称

お申し込み受付機関

建設施工管理技士1級・2級

一般財団法人建設業振興基金

土木施工管理技士1級・2級

一般財団法人全国建設研修センター

電気工事施工管理技士1級・2級

一般財団法人建設業振興基金

管工事施工管理技士1級・2級

一般財団法人全国建設研修センター

造園施工管理技士1級・2級

一般財団法人全国建設研修センター

建設機械施工管理技士1級・2級

一般社団法人日本建設機械施会

電気通信工事施工管理技士1級・2級

一般財団法人全国建設研修センター

 

合格発表日

施工管理技士の試験日から約1カ月後に合格発表があります。

 

合否を早く確認したいときは、次の各試験機関の公式サイトをご覧ください。

合格発表日の午前9時から2週間の間、合格しているかどうか確認できます。

 

合格発表日以降に合格通知書が郵送で届きます。

そちらに技術検定合格証明書の申請方法や詳しい説明が記載されています。

 

※資格の種類や試験機関によって、多少違いがあります。しっかりと次のリンク先から最新情報を得るようにしてください。

 

検定の名称

お申し込み受付機関

建設施工管理技士1級・2級

一般財団法人建設業振興基金

土木施工管理技士1級・2級

一般財団法人全国建設研修センター

電気工事施工管理技士1級・2級

一般財団法人建設業振興基金

管工事施工管理技士1級・2級

一般財団法人全国建設研修センター

造園施工管理技士1級・2級

一般財団法人全国建設研修センター

建設機械施工管理技士1級・2級

一般社団法人日本建設機械施会

電気通信工事施工管理技士1級・2級

一般財団法人全国建設研修センター

 

試験地

各資格の受験地は全国に約10箇所あり、1級よりも2級のほうが多めに設定されています。

 

試験は比較的都市部にて実施されるため、移動手段の調整や宿泊が必要な方も多いでしょう。

なるべく早めにお申し込みの検討や移動手段の検討を進めてみてくださいね。

 

各資格の受験地は次の表を活用して最新情報を得るのがおすすめです。

 

検定の名称

お申し込み受付機関

建設施工管理技士1級・2級

一般財団法人建設業振興基金

土木施工管理技士1級・2級

一般財団法人全国建設研修センター

電気工事施工管理技士1級・2級

一般財団法人建設業振興基金

管工事施工管理技士1級・2級

一般財団法人全国建設研修センター

造園施工管理技士1級・2級

一般財団法人全国建設研修センター

建設機械施工管理技士1級・2級

一般社団法人日本建設機械施会

電気通信工事施工管理技士1級・2級

一般財団法人全国建設研修センター

 

お申し込み方法

お申し込み方法や受験にかかる費用につきましても、試験実施機関により異なるため、各ホームページより最新情報をご覧ください。

 

検定の名称

お申し込み受付機関

建設施工管理技士1級・2級

一般財団法人建設業振興基金

土木施工管理技士1級・2級

一般財団法人全国建設研修センター

電気工事施工管理技士1級・2級

一般財団法人建設業振興基金

管工事施工管理技士1級・2級

一般財団法人全国建設研修センター

造園施工管理技士1級・2級

一般財団法人全国建設研修センター

建設機械施工管理技士1級・2級

一般社団法人日本建設機械施会

電気通信工事施工管理技士1級・2級

一般財団法人全国建設研修センター

 

施工管理技士になるために、これから勉強する人へ

施工管理技士を目指す人は、実務経験をいち早く積みながら、試験勉強を進めることで短期間で資格を取得できます。

 

合格率と難易度

合格率や難易度は、資格の種類によって異なります。

難易度の違いは、出題範囲や実地試験の内容等によって生じているようです。

 

合格率の高い資格は次のようになっています。

 

施工管理技士1級

  1. 管工事施工管理技士1級
  2. 建設機械施工管理技士1級
  3. 電気工事施工管理技士1級

 

施工管理技士2級

  1. 管工事施工管理技士2級
  2. 建設機械施工管理技士2級
  3. 土木施工管理技士2級

 

合格率が難易度と直結するわけではありませんが、受ける際のひとつの目安となるでしょう。

 

すべての施工管理技士の資格について合格率や難易度を詳しく知りたい人は、こちらの記事もご覧ください。

 

おすすめの学習方法

施工管理経験の有無に関わらず、第一次検定の筆記試験においては出題範囲の理解を進めると同時に、「出題の型」についても慣れておく必要があります。

 

未経験で第一次検定を受ける

施工管理経験がない状態で資格取得を目指すのであれば、勉強をサポートしてもらえるサービスを利用するのがおすすめです。

 

書籍を購入して独学する場合には、実務経験不足によって言葉や状況を理解できないケースが出てきがちです。

そこで、実体験をするかのように分かりやすく解説してもらえる資格取得サポートを活用するのが良いでしょう。

 

実際に、サービスを利用して資格を取得し、有利な条件で転職に成功した人もいるようです。

 

 

実務経験者が試験を受ける

施工管理業務に就きながら受験する場合に、書籍を理解しやすくなる反面、時間を作るのが難しくて悩まれる人がたくさんいます。

 

施工管理の仕事は現場に足を運ぶため、デスクワークのみの仕事に比べて体力を要したり、会社によっては残業や振替出勤や休日出勤もあるため体力勝負となりがちです。

 

経験があるからこそ得意分野に注力して点数をあげたり、ながら勉強で仕事の振り返りとともに試験勉強をしたり、肩の力を抜いていかに点数をあげていくかがポイントになります。

 

試験勉強を特別なものとせずに、日常の中に取り入れるかたちで検討してみましょう。

 

確実に合格を目指すなら、プロに先導してもらうのがおすすめ!

資格取得をサポートしてくれるプロがいます。

 

サポートを利用すると、出題傾向になれたり、筆記試験に強くなるだけでなく、実地試験のフォローもしてもらえます。

 

「経験はあるけれど、文章にするのが苦手」という人は大変多いようです。

 

そのような人が選んでいるのが、第二次検定の記述試験・実地試験にも合格できるように一緒にあなたに合った回答を考えてくれるプロによるサポートです。

 

「最短かつ確実に合格したい」や「自分のキャリアから逆算して、いつまでに資格をとっておきたい」と強く合格を望む人はぜひ二人三脚で合格を目指すのが良いでしょう。